アプタマー アフェレシス 核酸医薬の開発|タグシクス・バイオ株式会社

円形脱毛症・白斑Alopecia Areata

円形脱毛症・白斑

Disease

円形脱毛症は、後天的に類円形の脱毛斑を生じる疾患で、重症例では増悪・軽快を繰り返しながら脱毛斑が拡大することが多い。脱毛症状は頭部のみの単発型、多発型、全頭型、蛇行型に分類され、頭部のみならずあらゆる部位で発生した汎発型に分類されます。一般的には10円玉くらいの脱毛と思われていますが、頭部全体に広がるものや、眉毛やまつ毛、体毛などに及ぶ重度のものまで、その症状はさまざまです(1)。外見上の印象を大きく左右するので患者自身の悩みは深く、患者のQOLに大きく影響を与えます。

Patient

円形脱毛症の頻度は人口の1~2%と推察されており、患者数は全世界で1.5億人程度、日本国内で250万人程度と考えられています。また、米国では毎年30万人あまりが新規に円形脱毛症を発症しているといった報告もあります。どの年齢でも発症しますが、患者の4分の1は15歳以下で始まり、男女差はないとみられています。

Current Treatment

既存治療はステロイド局所注射や局所免疫療法、外用薬がありますが、根本的な治療法は未だありません。また、近年JAK阻害剤がFDAに承認さましたが、重篤な副作用の懸念があります。そのような背景から新たな作用機序に基づいた治療薬の開発が望まれている。

抗IFNgアプタマー TAGX-0003

TAGX-0003は、当社独自技術である人工塩基Dsを含んだヒトIFNgを標的とする核酸DNAアプタマーで、ヒトIFNgに対して33pMという高い親和性と特異性を示します(2)。
IFNgは、自己免疫性疾患の発症に関して最も中心的な役割を果たし、円形脱毛症の患者ではIFNgは毛髪上皮細胞の休止期(Catagen phase)への移行を促進します。また、IFNgによってIL-15の産生が誘起され、IL-15によって活性化されたCD8+T細胞は毛包を攻撃し、脱毛を引き起こします(3, 4)。

TAGCyxでは、すでにヒト化マウスにヒトの皮膚を移植したマウス円形脱毛症疾患モデルの動物試験において、毛髪の再生、メラニン形成、および、MHC-I、IIの発現を顕著に抑制することを確認しています。
また、核酸アプタマーは中分子化合物ではありますが、イオン液体を用いることで、真皮まで浸透させることができることを確認しており、塗布剤として開発が可能となるため、副作用の面からもメリットがあると考えられます。
TAGCyxでは、ライセンス先のCAGE Bio社と協力し、TAGX-0003の非臨床試験を進め、早期の臨床試験入りを目指しています。

ライセンス先

CAGE Bio Inc.

CAGE Bio Inc.(全世界、日本除く)

[Reference]

  1. 日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン2017年版: https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AA_GL2017.pdf
  2. Architecture of high-affinity unnatural-base DNA aptamers toward pharmaceutical applications. Matsunaga K. et al. Sci. Rep. 2015; 5: 18478.
  3. Understanding Autoimmunity of Vitiligo and Alopecia Areata. Jillian F. R. et al. Curr Opin Pediatr. 2016; 28: 463.
  4. Targeting the Janus Kinase Family in Autoimmune Skin Diseases. Michael D H. et al. Front Immunol. 2019; 10: 2342.