アプタマー アフェレシス 核酸医薬の開発|タグシクス・バイオ株式会社

Xenoligo® ApheresisXenoligo® Apheresis

アフェレシスとは

アフェレシスとは、体外循環によって生体内のさまざまな血液関連因子を分離除去して疾患を治療する広範な医療技術の総称です。病因となる抗体、炎症性サイトカイン、代謝物質、中毒物質といった液性因子や、リンパ球、顆粒球、ウイルスといった細胞成分を膜濾過や吸着によって分離除去することで病態の改善を図ります(1)。
現在、アフェレシスの適応としては消化器疾患、皮膚疾患、腎疾患、神経疾患、臓器移植、感染症といった様々な領域が挙げられ、今後も適応となる疾患は増えることが想定されます。

Xenoligo技術のアフェレシス利用のメリット

アフェレシスの中で血中成分を吸着除去する方法には、血漿吸着(PA; Plasma adsorption)と血液吸着(HA; Hemoadsorption)があり、吸着体としてはデキストラン硫酸、アミノ酸、活性炭などが使用されています。これらの吸着体は、その結合様式から複数種の病因成分を除去できたり、広域な疾患に使用できる一方で、非特異的な吸着を起こす可能性をはらんでいます。
そこで我々はXenoligo®が持つ標的特異性、ミニヘアピンによる血中安定性といった特長を活かし、吸着分離効率及び、疾患治療効果が高い次世代アフェレシス吸着体の開発を進めています。またアプタマー全般の特徴である急速な腎クリアランスや、胎盤透過性の低さによっても、副作用の少ないアフェレシス治療を提供できると考えています。

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図1. Xenoligo®を用いた次世代アフェレーシス(HA)概念図

[Reference]

  1. 一般社団法人 日本アフェレシス学会 Web site:https://www.apheresis-jp.org/

TAGX-0003コンジュゲートポリマーによるIFNg除去

Xenoligo® のアフェレーシス応用におけるPOC取得のため、NHS基付きポリマーとamino modifier付TAGX-0003を反応させ、TAGX-0003コンジュゲートポリマーを調製しました。このコンジュゲートポリマーを用い、ヒトIFNgの除去実験を行ったところ、ポリマーに固定した状態でもTAGX-0003はその結合活性を維持していることが示されました(図1)。
また、実際のアフェレーシスデバイス開発を見据え、オートクレーブ滅菌処理を施したコンジュゲートポリマーを用いた実験においても、未処理のものと同等の活性を示すことが明らかとなりました。

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図1.TAGX-0003コンジュゲートポリマーによるヒトIFNg除去

Cytapheresis

Xenoligo®による次世代アフェレーシスは液性因子の除去に限らず、細胞分離(Cytapheresis)にも応用できることが考えられます。
我々が取得済みである特定の膜タンパク質に対するXenoligo®をマグネティックビーズに固定し株化細胞分離実験を行ったところ(図1、2)、ビーズ上のXenoligo®密度依存的に細胞を除去できることが分かりました。よって、血中に存在する特定の細胞種に起因する疾患の治療にも応用も可能であることが示されました。

Magnetic separation of specific cell by Xenoligo®

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図1. Xenoligo®による細胞分離概念図

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図2. Xenoligo®密度依存的な細胞分離