アプタマーとは
アプタマー(Aptamer)とは、
特定の分子と特異的に結合することができる核酸やペプチドのことを言います。組成から、核酸(DNA/RNA)アプタマーとペプチドアプタマーに大別され、これらオリゴマーが形作る立体構造によって機能が生じます。
アプタマーのうち、DNA/RNAで構成される核酸アプタマーは、siRNA、miRNA、アンチセンス、デコイ、CpGオリゴなどと並び、核酸医薬に位置付けられています。コロナワクチンとして注目を浴びたmRNAも核酸医薬品の1つです。
アプタマーは,「適合する」という意味のラテン語(aptus)とオリゴマーの接尾語(-mer)を合わせた造語で、Szostakらのグループにより命名されました。
アプタマーの特徴
核酸アプタマーは、これまでに増殖因子、酵素、受容体、ウイルスタンパク質など種々のタンパク質のほか、金属イオンや低分子有機化合物などに結合するアプタマーの創出が報告されています。
抗体同様、病気の原因となる因子や細胞表面に結合し、機能を阻害することが可能であるため、世界中で新たなアプタマーが活発に創出されつつあります。
特徴として、
- 結合対象の多様性
- 高い結合性・特異性
- 低い免疫原性
- 化学的に、しかも短時間で合成することが可能
など、抗体にはない利点があり、医薬品・診断分野において期待されています。
SELEX(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)
核酸アプタマーは、in vitro selection法、もしくはSELEX(試験管内人工進化)法により創出します。
まず始めにランダムな配列のDNA libraryで標的タンパク質を結合するDNA分子を選抜します。それらのDNA分子の配列をPCR増幅し、選抜を繰り返すことによって、標的タンパク質に強く結合するDNA分子を分離します。
こうして獲得したDNA分子がアプタマーの原型となります。
タグシクスバイオでは、この候補分子を必要最小限の配列に切り詰め、末端にミニヘアピン構造を付加して構造を安定化しています。