妊娠高血圧腎症
Disease
妊娠高血圧症候群は妊娠中に高血圧を発症する疾患であり、妊娠20週以降に高血圧のみを発症する場合は妊娠高血圧症、高血圧と蛋白尿を認める場合は妊娠高血圧腎症と分類され、全身の臓器障害や胎盤機能障害を伴う重篤な産科合併症です。特に、早発型と呼ばれる妊娠34週未満で発症した場合重症化しやすい疾患であり注意が必要で、重症になると母体には血圧上昇、蛋白尿に加えて子癇、脳出血、肝臓や腎臓の機能障害、肝機能障害に溶血と血小板減少を伴う HELLP症候群などを引き起こします。
また胎児に関しては、胎児発育不全、常位胎盤早期剥離、胎児機能不全、場合によっては胎児死亡を引き起こすことがあり、母児の予後不良と密接に関連しています(1)。
Patient
妊娠高血圧症候群は妊婦さんの20人に1人の割合で起こると報告されています。タグシクス・バイオが対象としている早発型の妊娠高血圧腎症の患者は、妊婦さん1,000人に1~2人程度であると推察されます。
Current Treatment
現在の治療法は、安静と入院が中心で、けいれん予防のためや重症の高血圧に対して薬を用いることがありますが、根本的にこの病気を治す方法は知られていません。最も有効な医療法は出産し妊娠を終了させることとなっているため、妊娠高血圧腎症の病態に即した新規治療の開発が求められている。
TAGCyxの取り組み
TAGCyxでは、核酸DNAアプタマーを用いた特異的なアフェレシスカラムの技術PoC(Proof of Concept)を取得しています。アプタマーの市販ビーズへの効率的な結合、in vitroにおけるアプタマー結合ビーズの標的タンパク質吸着能の評価、及び、アプタマー結合ビーズが滅菌処理可能であることを確認しています。
また、妊娠高血圧腎症の病態関連分子に特異的に結合するDNAアプタマーの開発アプタマーを取得しており、アプタマーの市販ビーズへの効率的な結合、in vitroにおけるアプタマー結合ビーズの標的タンパク質吸着能の評価も確認しています。
今後、妊娠高血圧腎症を標的としたアフェレシスカラムの開発に向けて、ミニカラムを用いた動物試験評価を進めていきます。
[Reference]
- 公益財団法人日本産婦人科学会 Web site: https://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=6