アプタマー アフェレシス 核酸医薬の開発|タグシクス・バイオ株式会社

ハンナ型間質性膀胱炎Interstitial Cystitis

ハンナ型間質性膀胱炎

Disease

間質性膀胱炎とは、「膀胱の非特異的な慢性炎症を伴い、頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状を呈する疾患」(間質性膀胱炎診療ガイドラインによる)です。その病型はハンナ型(ハンナ病変を有するもの)と非ハンナ型(有しないもの)に大別され、ハンナ型間質性膀胱炎は内視鏡的にも病理学的にも明確な異常所見(ハンナ病変)を有し、症状的にもより重症です。
頻尿・尿意亢進・尿意切迫感や強い膀胱痛などQOLを大きく損なう疾患で、日本国内では難病指定を受けています。

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Patient

日本間質性膀胱炎研究会の調査によると、間質性膀胱炎の患者数は日本全体で約4,500人とされ、そのうち45%(約2,000人)がハンナ型であると報告されています。また、患者の男女比は1:5.6と女性、特に中高年層に多いことが知られていますが、男性や小児にも見られます(2)。

Current Treatment

既存治療は外科的治療や薬物療法ですが、確立した治療法はなく対症的な治療に留まります。また、再燃と寛解を繰り返し長期にわたる医学管理が必要となるため、新たな作用機序に基づいた治療薬の開発が望まれています。

抗IFNgアプタマー TAGX-0003

TAGX-0003は、当社独自技術である人工塩基Dsを含んだヒトIFNgを標的とする核酸DNAアプタマーで、ヒトIFNgに対して33pMという高い親和性と特異性を示します(3)。IFNgは、自己免疫性疾患の発症に関して最も中心的な役割を果たしていることが知られており、自己免疫性を改善し、疾患の根本的な治療となりうる重要な創薬ターゲットの一つであると考えられています。

TAGCyxでは、すでにマウスサロゲートアプタマーを用いて自己免疫原性のマウスHIC疾患モデルの動物試験において、顕著な排尿頻度や膀胱痛の改善、病理所見における炎症の抑制を確認しています。
TAGCyxでは、TAGX-0003の非臨床試験を進め、早期の臨床試験入りを目指しています。

なお、TAGX-0003のハンナ型間質性膀胱炎における研究開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) による「令和4年度 創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業」の支援を受けて研究開発を実施しております(4)。

[Reference]

  1. Interstitial cystitis, bladder pain syndrome, hypersensitive bladder, and interstitial cystitis/bladder pain syndrome – clarification of definitions and relationships. Homma Y. Int. J. Urol. 2019; 26: 20.
  2. 公益財団法人 難病医学研究財団/難病センターWeb site:https://www.nanbyou.or.jp/entry/4429
  3. Architecture of high-affinity unnatural-base DNA aptamers toward pharmaceutical applications. Matsunaga K. et al. Sci. Rep. 2015;
  4. 令和4年度 「創薬支援推進事業―希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業―」の採択課題について: https://www.amed.go.jp/koubo/11/02/1102C_00036.html